コラム

こんにちは、福福トレカ遊戯王スタッフです。
今回は先日秋葉原店にて開催した、1103環境の遊戯王CS「第23回福福雪合戦」の熱い対戦模様をレポートしていきたいと思います。
1103環境についてや第22回大会の結果等は前回の記事を参照頂ければと存じます。
今大会と環境の推移など比較して頂ければ、より1103環境の解像度も高まると思いますので、ぜひご覧になってください!
さっそく本大会の参戦デッキの分布を見ていきましょう。
予選時点での分布はこちらです。

前回は圧倒的に【HERO】が多かった事に対して、今回は様々なデッキが満遍なく参戦している印象です。
その中でも採用率が最も高かったデッキは【代行天使】です。
【代行天使】は「創造の代行者ヴィーナス」の効果で「神聖なる球体」を3体も展開する事が可能で、そこからシンクロ、エクシーズ召喚に繋げて一気に相手を攻め立てる超攻撃的なデッキです。
切り札となる「マスターヒュペリオン」の存在も強力です。
唐突にフィールドに現れ、相手モンスターを除去しつつ攻撃を仕掛けてくる攻撃力2700は、対戦相手にとって相当な脅威となる事でしょう。

『TG(テックジーナス)』を組み込んでより展開力を強めた型もありますが、今回は非採用型とほぼ半々での参戦となりました。
次いで【HERO】【デブリダンディ】といった直近でもシェア率の高かったデッキが続きます。
【HERO】は前回【アライブHERO】型が殆どだったのに対し、今回は全員【ピュアHERO】に近い構築となっています。

それに続くは【TGガジェット】【兎ラギア】【暗黒界】【墓地BF】【六武衆】…これら全てが同率で並びます。
次いで分布が多いのが【カラクリ】デッキです。
ここまで挙げたデッキの内、【墓地BF】を除いた8種のデッキタイプは1103環境において『8強』として知られるデッキです
前回の予選が【HERO】の独壇場だったのに対し、今回はこれら『8強』が鎬を削り合う形となっていました。

「8強」達が熾烈な闘いを繰り広げ、決勝トーナメントへ勝ち上がった上位8名のデッキは以下の様になりました。

今回のトップシェアとなった【代行天使】は僅か1名のみに留まりました。
展開の最大値こそ最強格の【代行天使】ですが、デッキに眠ったままでいて欲しいカードが多く、それらを引いてしまうとデッキパワーが大きくダウンしてしまいます。
そうした振れ幅の大きさ故か今回は決勝トーナメント行きを逃したプレイヤーが多かった様です。
逆に安定性に定評のある【兎ラギア】【TGガジェット】は2名ずつの進出となり、ベスト8の半数を占める事となりました。

そんな強豪揃いのベスト8の中で一際目を引くのは、やはり【マシンギアバレー】デッキでしょうか。
【スキドレギアバレー】とも呼ばれるこのデッキタイプは、「スキルドレイン」と「王家の眠る谷ネクロバレー」といった強力なロック効果を持つカードで相手の動きを封じる事を主戦法としています。

その上でフィールド魔法「歯車街」を破壊して、被破壊時の効果で「古代の機械巨竜」を特殊召喚。動きを封じた相手を高打点で圧倒します。
1103環境当時のマスタールール2では、予め発動されたフィールド魔法は新しい物に貼り替えるだけで破壊出来た為、今よりも「歯車街」は運用が容易でした。

更にはフィールド魔法があるだけでパッと特殊召喚できる「Sinサイバーエンドドラゴン」、「王家の眠る谷ネクロバレー」の制約をすり抜けて特殊召喚出来る「マシンナーズフォートレス」など、とにかく高打点モンスターには事欠かないデッキです。

決勝トーナメント初戦ではこれらのモンスターを駆使して、高打点モンスターを苦手とする【兎ラギア】を追い詰めていました。
しかし最後は【兎ラギア】側がサイドデッキから投入した「フォッシルダイナパキケファロ」の効果で一網打尽に…。惜しくも2回戦進出とはなりませんでした。

続く準決勝では、両試合とも【兎ラギア】対【TGガジェット】の対決となりました。
どちらも速度の低いデッキではありますが、長期戦となってくると【TGガジェット】側が有利になってきます。
手札リソースが尽きにくい『ガジェット』たちの効果に加え、終盤では「貪欲な壺」による更なるリソース確保、そして「血の代償」による大量のリソースを吐き出しての超展開…。
【TGガジェット】特有のこのゲーム展開に持ち込まれると、流石の【兎ラギア】といえど歯が立ちませんでした。

しかし、マッチ3戦目では両試合とも【兎ラギア】側が先攻で「エヴォルカイザーラギア」を召喚。

【TGガジェット】は【兎ラギア】の常勝鉄板ムーブの前に敗れ、なんと今回は優勝、準優勝ともに【兎ラギア】がワンツーフィニッシュを決める結果となりました。

【HERO】が席巻した前大会に対して、逆に今大会は様々なデッキがひしめき合う様相を呈していました。
カードプールが変わらない1103環境においての対戦環境が変わっていく様を、今まさに目撃しているのかもしれません。
前回、今回ともに福福雪合戦を制したのは【兎ラギア】でしたが、次はどのデッキが覇権を握るのでしょうか?
目が離せない1103環境の熱い対戦模様、次回もお届けします。お楽しみに!