コラム

公開日 2025.11.12 更新日 2025.11.12

『女剣士カナン』─遊戯王OCG最古にして、最も神秘的な一枚

はじめに

🗡女剣士カナン──遊戯王OCG最古にして、最も神秘的な一枚

 

1999年。まだ“プロモカード”という言葉さえ一般的でなかった頃──
OCG史における最古のプロモーションカードといわれる存在が、《女剣士カナン》です。

 

その端正な顔、鋭く光る剣、そしてカード全体に漂う静謐な美しさ。
実はこのカード、遊戯王の原作者・高橋和希先生がデザインしたモンスターでもあるのです。

女剣士カナン──遊戯王OCG最古にして、最も神秘的な一枚

 

🏛はじまりは1999年 丸の内・東映試写会

 

《女剣士カナン》が初めて配布されたのは、1999年に開催された「GB版 遊戯王DM 全国大会決勝トーナメント&東映版映画試写会」。
場所は東京・丸の内東映会館。ジャンプ・Vジャンプ誌上で選ばれた約400名が招待されたこのイベントでは、映画試写後に全国大会の観戦が行われました。

 

この場で「入場者特典」として配布されたのが、初期ウルトラレア仕様の《女剣士カナン》
OCGにおいて、記録上最も古いプロモカードとされ、当時から“幻の存在”と語られてきました。

 

 

🎁幻の50枚──現代遊戯王では見かけない「ウルトラシークレット」

 

同年、Vジャンプ誌上で行われたプレゼントキャンペーンにて、わずか50枚限定でウルトラシークレット仕様の《女剣士カナン》が配布されました。
現在でもこのレアリティは極めて少なく、希少性・人気ともにトップクラスの1枚として知られています。

 

このように、《女剣士カナン》は長らく一般流通していなかったため、遊戯王OCGの中でも屈指の入手難度を誇るカードとして、多くのコレクターを魅了し続けてきました。

 

 

🔁時を経て、再び人々の手に──再録と進化

 

時は流れ、2015年。
OCG15周年記念として発売された「決闘者の栄光-記憶の断片- side:武藤遊戯」にて、《女剣士カナン》はノーマルレア/ミレニアムレアとして再録。
これにより、レアリティにこだわらなければ、比較的入手がしやすくなった。

 

 

さらに2019年、OCG通算カード10000種突破を記念した全国展示イベントでは、《女剣士カナン》が銀パック封入プロモとして復活。
このときはノーマルレアまたはごく一部に20thSE仕様が存在し、全国で約3万枚が配布されたとされている。

 

また、同時期に実施された「Twitterキャンペーン」では抽選で100名に20thSE仕様が配布され、これもまた高い人気と希少性を持つ個体となっています。

 

 

💎2024年、最新仕様の“女剣士”たち

 

そして最新の展開としては、2024年に発売された「QUARTER CENTURY LIMITED PACK」にて、以下の複数仕様で再録されました。
•通常ウルトラレア仕様
•シークレットレア仕様
•クォーターセンチュリーシークレットレア仕様
•復刻版ウルトラレア仕様

 

特にクォーターセンチュリーシークレットレアと復刻ウルトラは封入率が極めて低いとされ、コレクターの注目を集めています。

 

🛡“カナン”という存在が持つ、静かな熱

 

戦士族・地属性・レベル4・通常モンスターというシンプルな構成。
テキストも存在しない通常モンスター。
一見すると派手さはありませんが、それでも語り継がれる理由がある──それが《女剣士カナン》というカードです。

 

個人的には、高橋和希先生による原案デザインというだけで特別な意味を持ちますし、
今なおカードの雰囲気からにじむ“静かな誇り”のようなものに、強く惹かれます。

 

剣を構え、こちらを見つめるその視線は、
「あなたは、何と戦うのか」と問いかけてくるようにも思えるのです。

 

 

おわりに

 

OCGにおける最古のプロモカードとされながら、幾度も形を変え、時代ごとの光を纏い続ける《女剣士カナン》。
その凛とした佇まいは、カードの進化の歴史を物語る“生き証人”のような存在かもしれません。

 

福福トレカでも、複数仕様のカナンを取り扱ってきましたが、
どの1枚も決して“過去の遺物”ではなく、今でも語る価値のあるカードだと、改めて感じています。

 

あなたにとっての“カナン”は、どの姿でしょうか──?