コラム

公開日 2025.11.14 更新日 2025.11.14

第32回「真•福福CS」大会レポート

はじめに

 

こんにちは。福福トレカ遊戯王スタッフです。

 

本稿は先日秋葉原店にて開催した現行レギュレーションの大会、第32回「真•福福CS」の大会レポートとなります。
最後までお付き合い頂ければ幸いです。

 

なお、前回の第31回大会のレポートも合わせてご一読頂ければ、環境の変遷等をより深くご理解出来るかと思います。

そちらもぜひご覧ください!
➤第31回大会レポート

 

予選のデッキ分布

 

前回から3週間弱ほど間を空けての開催となった第32回大会ですが、その間に海外先行で登場したカードを収録した新弾「WORLD PREMIERE PACK 2025」が発売、更に10/1でリミットレギュレーションの改訂がありました。

 

つまり10/4開催の本大会は、正に新環境を迎えた直後の大会と言えるでしょう。

 

そんな新環境でのデッキ分布は以下の様になりました。

 

 

かねてよりその強さが噂されていた【巳剣(みつるぎ】が初登場にして早速環境シェアトップを獲得しました。

 

 

巳剣』は爬虫類族で統一された、儀式召喚を軸にしたテーマです。

 

【巳剣】専用の儀式魔法「巳剣降臨」は、デッキから『巳剣』モンスターを儀式召喚、あるいはデッキのモンスターをリリースして儀式召喚を行う効果を有しています。

 

しかもリリースされた『巳剣』モンスターもリリースをトリガーに効果を発動し、デッキから新たなカードを手札に加えたりなど、本来なら自分のリソースを減らす行為である儀式召喚を行うだけで次々とアドバンテージを獲得していきます。

 

 

そこから降臨する儀式モンスターたちも強力で、どれもゲームを支配するに足りうる効果を持ったモンスターです。

 

 

加えて『巳剣』の効果には、他のカテゴリーに良く見かける特定のモンスターしか特殊召喚できなくなる制約がほぼ無い為、他カテゴリーとの混成も可能な柔軟性もあります。

 

その中でも【巳剣】ではレベル4モンスターが並びやすい事から同じくレベル4モンスターの展開を主軸とする『ライゼオル』や、『巳剣』の弱点となる「ドロール&ロックバード」の効果をすり抜けて展開できる『デモンスミス』との混成構築が特に強力と知られています。

 

 

もちろん混成抜きの純構築のままでも強いのが【巳剣】。

 

その場合はデッキの空いた枠に多くの手札誘発系のカードが採用可能で、特に上記の混成構築では採用できない「霊王の波動」が搭載可能な事は特筆すべき点でしょう。

 

 

そして本大会で【巳剣】に並ぶシェアを獲得したのは【M∀LICE】です。

 

 

前環境では【ヤミー】や【K9VS】に押され気味だった【M∀LICE】ですが、10月の規制でそれらのデッキがパワーダウンした事で相対的に環境トップクラスへと引き上げられた様です。

 

加えて新環境でトップシェアになると予想されていた【巳剣】対策カードである「ドロール&ロックバード」を無理なく採用できる点も評価を大きく上げた要因でしょう。

 

「ドロール&ロックバード」

 

【巳剣】【M∀LICE】に続いて、新デッキの【リシド】がその後を追う形となりました。

 

正式なカテゴリー名は『王家の神殿』や『アポピス』となりますが、原作『遊⭐戯⭐王』で「リシド」というキャラクターが使ったカードがモチーフになっている事から【リシド】という呼び名が定着している様です。

 

 

【リシド】は現代遊戯王では珍しい、罠カードを主体としたデッキです。

 

このデッキで主力となる「刻印を持つ者」と「王の遺宝祀りし聖域」が互いを手札に加える効果を持っており、リソースが尽きにくくなっています。

 

 

その過程で「王の遺宝祀りし聖域」の効果で「アポピス」罠カードをセットし相手の妨害をするのが主戦術です。

 

 

モンスターによる妨害が主流となっている今、罠カードがメインのこのデッキは対策を怠っているプレイヤーも多い事も追い風となっているでしょう。

 

罠カード主体ではありますが、「ジャッジメントオブアヌビス」や「守護獣セルケト」といった高打点モンスターも有しており、攻め手に困る事はありません。

 

 

この高打点モンスターの枠をシンクロモンスターで補う『原石』カードとの混成構築もあり、こちらは採用する通常モンスターのチューナーによって様々な大型シンクロモンスターを選択できる点が魅力です。

 

 

そして【リシド】に並んで分布数を伸ばしたのは前環境の覇者【ヤミー】です。

 

10月のリミットレギュレーション更新で「ヤミー★スナッチー」が準制限、「虹光の宣告者」が制限、「魔獣の懐柔」が禁止カードに指定され、以前よりかなり弱体化した様に見える【ヤミー】ですが…。

 

 

「カプシー⭐ヤミー」など基本展開を支えるモンスターが規制を免れた事に加え、「虹光の宣告者」の代用として「ルイキューピット」から「ヴァレルロードSドラゴン」のシンクロ召喚に繋がる事でリペアに成功しており、以前と遜色ない強さを保ち続けています。

 

まだまだ環境で活躍が期待されるデッキとなる事でしょう。

 

 

決勝トーナメント分布と結果

 

そして新環境に新デッキが切り込む形となった予選を勝ち抜いた8つのデッキが以下の通りです。

 

 

【巳剣】と【ヤミー】の新旧王者が2名ずつ進出、半数を占める形となりました。

 

逆に【M∀LICE】は1名のみ進出、【リシド】には全員が予選敗退となってしまいました。

 

【M∀LICE】はリミットレギュレーションの改訂前から環境トップと予想されていた為、対策カードの「アーティファクトロンギヌス」の採用率が高かった事が要因でしょうか。

 

 

【リシド】に関しては罠デッキの特性上、後攻での巻き返しが難しい点、ギミックの中心となる「刻印を持つ者」や「王の遺宝祀りし聖域」へのアクセス手段が乏しい点が挙げられるでしょう。

 

しかし何よりも【リシド】デッキの研究が進んでいなかった事が1番の要因かもしれません。

 

【リシド】は『巳剣』と同時期の登場であり、ほとんどのプレイヤーが事前評価の高さから登場前より【巳剣】の研究を進める中、【リシド】の強さが知れ渡るのは少し後になります。

 

 

今回は惜しくも決勝に進む事は叶いませんでしたが、まだまだこれからの展望が期待されるデッキと言えるでしょう。

 

そして強豪ひしめく決勝トーナメントを勝ち抜き、優勝を手にしたのは…なんと【K9】でした。

 

 

【K9】は前環境で『VS(ヴァンキッシュソウル)』と組み合わせたデッキが猛威を振るっていた事がまだ記憶に新しいかと思います。

 

その強さゆえ、10月のリミットレギュレーション改訂では「VSラゼン」「K9-66a号ヨクル」が制限カード、「K9-17号イヅナ」が準制限カードに指定され、枚数だけで言えば5枚ものカードを失った形になります。

 

 

特に主軸となる「VSラゼン」の規制は致命的で、環境上位からの陥落は必然でした。

 

…しかしそれは『VS』との混成構築での話。

 

『K9』は同じくデッキの主軸「K9-66a号ヨクル」が規制されていますが、こちらは「Case of K9」や「カオティックエレメンツ」といった手札に加える手段が豊富で、混成構築でなければこれらのカードを採用する枠が十分にあ

ります。

 

 

加えて新たな初動カードである「K9-04号咒」を獲得しており、【K9】デッキとしては寧ろ盤石になっていると言えます。

 

 

とは言え環境にひしめく【ヤミー】や【巳剣】、【M∀LICE】の方がデッキパワーが高いのは事実。

 

今回の優勝は何よりもプレイヤー自身の腕前があってこそと言えるでしょう。

 

おわりに

 

波乱の新環境の中で始まった第32回真・福福CS。

 

勢力図もガラリと変わり、新たな時代を予感させるものとなりました。

 

これからどんなデッキが活躍するか楽しみでなりせんね!

 

それでは次回のコラムでまたお会いしましょう!