コラム

遊戯王OCGの黎明期にも、特殊な入手方法を持つカードが数多く存在していました。
その始まりのひとつが「遊戯王 STARTER BOX」であり、そこから派生する初期プロモーションカード群です。
中でも、極端に配布枚数が少なく、現在では数百万円〜数千万円規模で取引されているセットが存在します。
今回は、そうした“初期プロモの中でも別格”といえるカード群について紹介していきます。


初期プロモを語るうえで外せない存在が、Vジャンプ1999年8月号の抽選応募企画によって配布された
「Aセット」「Bセット」です。
この企画では、以下の内容でカードが配布されました。
Aセット
• 女剣士カナン
• 地獄の裁判
• 3人目の理葬者
Bセット
• エルフの剣士
• 深淵の冥王
• タートル・タイガー
それぞれ50セット限定で用意され、全カードがウルトラシークレットレア仕様で統一されています。
カードは1〜50番の番号が振られた盾に封入されており、応募人数に対して当選者数が極端に少なかったことから、結果として非常に高い希少性を持つこととなりました。
ここで、福福トレカとしての実情にも触れておきたいと思います。
Aセット・Bセットを「盾付き・完品」の状態でお取り扱いできたケースは、これまでそれぞれ一度ずつのみ。
体感としては、数年に一度あるかないかというレベルでしかお持ち込みがありません。
カード単体ですら滅多に市場に出回らない中で、
番号入りの盾や付属品がすべて揃った状態となると、その希少性はさらに跳ね上がります。
それゆえ、遊戯王コレクターの中には、
名前や写真では知っていても、実際の現物を一度も見たことがないという方も少なくありません。
「存在は知っているが、実在感がない」──それほどまでに、このAセット・Bセットは特別な存在なのです。



AセットとBセットを比較すると、現在でも圧倒的に人気が高いのはAセットです。
その背景には、収録カードそのものの“初登場時の立ち位置”が大きく関係しています。
《女剣士カナン》は、1999年の丸の内東映会館イベントにて配布された初期ウルトラレア版が、
OCG史における最古のプロモーションカードといわれる存在です。
入場者特典という極めて限定的な配布形式であったことから、当時の時点ですでに非常に高い入手難易度を誇っていました。
一方、《エルフの剣士》の初登場は、1999年3月発売の「STARTER BOX」の予約特典として配布されたスーパーレアです。
こちらも通常パックから排出されない特殊カードではありますが、
「遊戯王を始めるためのキットに付属していた」という性質上、
《女剣士カナン》と比較すると、相対的に流通枚数は多かったと考えられます。
この初登場時点での入手難易度の差は、
後にVジャンプ抽選で配布されたウルトラシークレット版においても、そのまま評価へと引き継がれました。
両者ともに同じウルトラシークレットという特別なレアリティで登場しているにもかかわらず、
「より入手困難な初出を持つカード」という背景から、
ウルトラシークレット版においても《女剣士カナン》の方が高い人気と評価を受けているのです。


現在では存在しないレアリティであるウルトラシークレットレア。
この仕様は、Vジャンプ付録、リミテッドパック、公式ガイドブック、
『遊戯王デュエルモンスターズⅡ 闇界決闘記』体験会参加者特典など、入手経路が極端に限られていました。
現在のように再録や大量生産が前提ではなく、
「一度きりの配布で終わる」ケースも非常に多かったため、
結果としてコレクター市場では別格の扱いを受けています。
加工仕様としては、
• カード名:シークレットレアと同様のダイヤモンドカット箔押し
• イラスト:ウルトラレア同様のホイル加工
という、まさに“特別仕様”と呼ぶにふさわしい組み合わせです。
① Vジャンプ付録
• 女剣士カナン
• 地獄の裁判
• 3人目の理葬者
• エルフの剣士
• 深淵の冥王
• タートル・タイガー
② リミテッドパック
• 千年の盾
• 妖精の贈り物
• ヤマドラン
• タクリミノス
• トビペンギン
• 2人3脚ゾンビ
• メガソニック・アイ
• ヤランゾ
• くいぐるみ
③ 公式ガイドブック(スターターブック)付属
• 炎の剣士
④『遊戯王デュエルモンスターズⅡ 闇界決闘記』体験会参加者特典
• アクア・マドール
遊戯王のコレクションカードは、カードそのものの性能以上に
「どこで、どのように手に入れたのか」という背景が、価値を大きく左右します。
《女剣士カナン》や《エルフの剣士》をはじめとした初期プロモカードは、
その象徴とも言える存在です。
そしてAセット・Bセットの“盾付き完品”が、
いまなお「見たことがないコレクターが存在する」レベルで希少であるという事実こそ、
これらのカードが特別であり続ける理由なのかもしれません。
また、番号付きカードそのものが放つ特別感は、
歴史的な初期プロモだけに限ったものではありません。
実は、今度2026年2月に発売される新パックにも久しぶりに番号付きカードが封入されることがアナウンスされており、
コレクター界隈でも大きな話題になっています。
番号が付くことで、個体としての唯一性やストーリー性が強くなる──
これはコレクターにとって、「ただのカード以上」の魅力なのです。
現在の高額取引や根強いコレクター人気も、
こうした背景を知ることで、より深く理解できるでしょう。