コラム

こんにちは。福福トレカ遊戯王スタッフです。
本稿は先日秋葉原店にて開催した、第42回「真・福福CS」の大会レポートとなります。
最後までお付き合い頂ければ幸いです。
これまでの大会結果やデッキ分布の推移などは前回の記事でも纏めております。
環境の変遷をより詳しくチェックされたい方はそちらもぜひご覧ください!
前回、前々回までは【トゥーン】【キラーチューン】が支配する環境でしたが、今回からその勢力図が激変します。

なんとこれまで環境2番手、3番手に甘んじていた【エルフェンノーツ】が、【トゥーン】【キラーチューン】を退けて圧倒的首位を獲得しました。
余りにも大きな躍進ですが、その理由の一つは『アルス=マグナ』の登場である事は間違いないでしょう。

『アルス=マグナ』は手札の自身を除外する事でテーマカードをサーチしたりする効果を持っていますが、なんと自分の場にリンクモンスターが特殊召喚されると除外された自身がフィールドに戻ってくる効果も備えています。
これにより損失なくモンスターを展開する事ができ、これまでの【エルフェンノーツ】では難しかったリンク召喚を戦術に組み込む事が容易になりました。

『アルス=マグナ』は「予幻使メディウス」や「無垢なる芸術-「黄昏の変幻」」からサーチできますが、前者は『獄神』『テオリアライズ』、後者は『アルス=マグナ』『エルフェンノーツ』『テオリアライズ』テーマに属しており、これらは従来の【エルフェンノーツ】で採用されるカードからアクセスが可能です。

強力ながら無理なくデッキに採用でき、さらに多岐に渡るサーチ手段から再現性も高いギミックとなっています。
また「天下独歩の大義賊」の登場も見過ごせない点でしょう。

「天下独歩の大義賊」は自分フィールドにモンスターがいなければ、なんと相手の場のモンスターをリリースしてアドバンス召喚できる能力を備えています。
効果では無くただのアドバンス召喚なので【トゥーン】の「心を見通す眼」では無力化できず、【キラーチューン】相手でも盤面を更地にして連続シンクロを封じられる、まさに現在の環境を戦い抜くに相応しい一枚と言えるでしょう。

行っているのは「通常召喚」になるため、本来展開したいモンスターに召喚権を回せなくなる点がネックですが、【エルフェンノーツ】はテーマモンスターの大半が自力で特殊召喚ができるため、その足枷を気にせず「天下独歩の大義賊」を使用する事ができます。
さらに相手の手札、墓地で発動した効果を無効化する効果も持っており、盤面を崩された相手の反撃も許しません。
先攻で強いのはもちろん、後攻でもこれだけ強力な返し札を自然と採用できる、まさに環境トップも納得のデッキに仕上がっています。
そんな【エルフェンノーツ】独走状態の環境ですが、その後ろに【キラーチューン】が負けじと続きます。
【キラーチューン】はテーマそのものの強化こそありませんが、「聖王女ローズパメラ」の追加が現環境での地位を築く大きな後押しになりました。

「聖王女ローズパメラ」は相手ターンに手札から捨てることで「聖王の粉砕」を手札に加える効果、さらに召喚、特殊召喚時に「聖王の粉砕」か「列王詩篇」をセットする効果を備えています。
さらに自身の効果でセットした場合は即発動が可能というおまけ付き。
「聖王の粉砕」「列王詩篇」は罠カードでありながら手札からも発動できる性能を持ちますが、その場合はデュエル中に大きな制約が科せられます。
「聖王女ローズパメラ」はある意味それらの制約を無視して「聖王の粉砕」「列王詩篇」を使いまわせるカードとも言えるでしょう。

しかし「聖王女ローズパメラ」の採用理由は性能面はもちろん、『チューナー』という点が大きいでしょう。
『キラーチューン』擁する「キラーチューンキュー」は『チューナー』モンスターをほどんどをフィールドに呼び出せる効果を持ち、現状「聖王女ローズパメラ」に直接アクセスできる数少ないモンスターです。
「聖王女ローズパメラ」の特殊召喚時の効果を使ったあとは「ジュークジョイント”Killer Tune”」で別の『キラーチューン』モンスターに変換できる為、そのまま従来の『キラーチューン』展開に移行できます。

結果的に「聖王女ローズパメラ」を絡める事で、従来の『キラーチューン』の最終盤面に「聖王の粉砕」or「列王詩篇」を加えた、これまで以上に強固な盤面を形成できるようになったのです。
そしてシェア数3位には徐々に勢力を伸ばしてきた【閃刀姫】が食い込んできます。
【閃刀姫】も【キラーチューン】同様にテーマそのものの強化はありませんが、「月女神の至天」の登場が大きな躍進のカギとなりました。

「月女神の至天」はライフポイントと引き換えに相手の場のカードの効果を無効にする効果、そして相手の手札、墓地で発動したモンスター効果を無効にする効果の2種を備えています。
特に後者は【閃刀姫】で要となる「閃刀姫=ゼロ」と相性がよく、「閃刀姫=ゼロ」の②の効果は無効にされてしまうと大きなディスアドバンテージになってしまう事もあり、まさに【閃刀姫】ユーザー待望の効果となっています。

また「月女神の至天」の前者の効果も、デッキの性質から手札誘発を多くは採用できない【閃刀姫】にとっては、後攻で相手の盤面を捲るためには喉から手が出るほど欲しかったカードと言えるでしょう。
加えて同月後半には『デラックスデュエルセット 閃刀姫』の登場が控えており、各種アイテムの他にオーバーフレーム仕様の「閃刀起動リンケージ」「閃刀機ウィドウアンカー」が収録されています。
それらを対戦で使用したいが故に【閃刀姫】ユーザーのモチベーションが高まっていた事もシェア数を伸ばした要因なのかもしれませんね。

上記のデッキとは違い、これまで環境トップを走っていた【トゥーン】はシェア数を大きく減らす結果となりました。
【トゥーン】の強さは変わりありませんが、シェア数を伸ばしすぎた為か多くの参加者のサイドデッキには「滅亡龍ヴェイドス」「械刀婪魔皇断」「タイフーン」といった対策カードが採用されており、それらとの衝突を避けた結果なのかもしれません。

予選では【エルフェンノーツ】が存在感を示しましたが、それは決勝トーナメントでも変わりありませんでした。

なんと8名中5名が【エルフェンノーツ】、終わってみれば1,3,4位が【エルフェンノーツ】という圧倒的な底力を見せつける結果となりました。

優勝者のデッキレシピを見ると、今大会の【エルフェンノーツ】で採用が多く見られたカードの他に「落消しのパズロミノ」「ペンテスタッグ」が確認できます。
前者は展開デッキの天敵である「原子生命態ニビル」が飛んできた際に、レベル変動効果を活かして再度シンクロ召喚を狙うため、後者は「無限と有限のアルス=マグナ」と共に「幻獄神メディクリウス」を強化しワンキルを狙うためと、いずれも後攻でのプランを充実させるための採用と思われます。
【エルフェンノーツ】が今の形になってから日は浅いですが、既に構築が洗練され始めているようです。

決勝トーナメントでは辛うじて2名が食い込んだ【キラーチューン】は惜しくも2位にまで迫りました。

デッキレシピを見ると、これまでの【キラーチューン】ではあまり見られなかった「キラーチューンプレイリスト」が採用されています。
「天下独歩の大義賊」により盤面の除去が容易くなってしまった事から、テーマ内で戦線の立て直しやモンスター以外での妨害ができるカードとして採用されたのでしょう。
こちらも新環境に適応すべく研究が進んでいる痕跡が見られます。

環境のパワーバランスが大きく傾き始めた第42回「真・福福CS」。
【エルフェンノーツ】の台頭に加えて、「天下独歩の大義賊」や「月女神の至天」といった強力な汎用カードの登場も大きく影響していることは間違いないでしょう。

しかし水面下ではどのデッキもそれらに対抗すべく、構築の最適化が進められている痕跡が見られたのもまた事実です。
次回の第43回「真・福福CS」でも大きな動きがあるかもしれません。
そんな次回大会の様子もレポートしてまいりますので、こうご期待!
ここまでご拝読いただきありがとうございました!