コラム

公開日 2026.01.11 更新日 2026.01.11

ホーリーナイトドラゴンと究極完全態グレートモス──遊戯王黎明期を支えていた伝説の2体

はじめに

 

遊戯王OCGの黎明期において、「シークレットレア」という存在はごくわずかでした。
その中でも、今なお多くのファンに語り継がれているのが、《ホーリーナイトドラゴン》と《究極完全態グレートモス》です。

 

どちらも通常パックでは入手できない“特別な方法”でしか手に入らなかった初期シークレットであり、コレクターズアイテムとしての価値が年々増しています。

 

1999年、ゲームソフトとともに登場したトップレア

 

OCGとして初登場したのは、1999年に発売されたゲームボーイソフト「遊戯王デュエルモンスターズⅡ 闇界決闘記」。
このソフトに封入されていた特典パックから、ごく稀に出現したのがこの2枚――《ホーリーナイトドラゴン》《究極完全態グレートモス》でした。

 

この特典パックは全10種のうちランダムで3枚封入という形式で、当時の体感確率はおよそ5%前後といわれており、狙って当てるにはかなりの運が必要でした。
その影響もあり、発売当初からこの2枚は1万円超えの価格で取引されていたという記録も残っています。

 

 

戦略カードとしての活躍と“傷み”の理由

 

美品であれば現在、どちらも70万円前後の相場がつくこともあります。
しかしながら、現存する個体の多くは状態がよくなく、10万円前後の個体が主流です。

 

この理由のひとつとして、《究極完全態グレートモス》が実戦カードとして当時のプレイヤーに頻繁に使われていたことが挙げられます。
特に有名なのが、「Booster4」に収録された《天使の施し》とのコンボ。手札から2枚捨てて3枚ドローする効果のコストとして《究極完全態グレートモス》を捨て、そこから《死者蘇生》で蘇らせるという、当時のルールでは成立した“凶悪な裏技”が存在していました。

 

このコンボは公式書籍「ヴァリュアブルブック1」でも紹介されており、多くのプレイヤーがデッキに投入していたことで、状態の良い個体が少ない要因となったと考えられます。

 

一方、《ホーリーナイトドラゴン》も攻守のバランスが良く、かつドラゴン族で「青眼の白龍」と同じくフィールド魔法《山》の恩恵を受けられるため、当時から人気がありました。

 

また、当時はまだスリーブ文化が一般的ではなく、裸の状態でプレイされていたこともあり、カードの擦れや傷みが非常に多かったのも特徴的です。

 

アニメでの登場と“記憶に残るシーン”

 

この2枚は、アニメ『遊戯王デュエルモンスターズ』本編にも登場しています。

 

特に印象的なのが、《究極完全態グレートモス》の登場シーン。
「決闘者の王国編」にて、インセクター羽蛾が遊戯とのデュエルでこのカードを切り札として投入。
“完全態”へ進化することでフィニッシュを狙うも、闇遊戯によって進化を妨害され、未完成の《グレート・モス》のまま撃破されてしまったシーンは、今でも語り草となっています。

 

再録と初期加工の“唯一無二性”

 

近年では、「Early Days Collection」の購入特典として、それぞれ25thシークレットレア(25thSE)仕様で再録もされています。

 

しかしながら、やはり1999年当時の初期シークレット加工は唯一無二
ホログラムの入り方や光の反射、質感など、“あの頃だけの輝き”が確かに存在しています。

 

おわりに

 

ホーリーナイトドラゴン》《究極完全態グレートモス》は、ただのレアカードではありません。
それぞれのカードに思い出、戦略、ロマンが詰まっており、今でも多くのプレイヤーやコレクターにとって“身近で特別なシークレットレア”として語り継がれています。

 

状態が良ければ高額、状態が悪くても思い出補正が強い。そんなカードは、きっとこの2枚くらいではないでしょうか。