コラム
こんにちは。福福トレカ遊戯王スタッフです。
本稿は先日秋葉原店にて開催した現行レギュレーションの大会、第31回「真•福福CS」の大会レポートとなります。
最後までお付き合い頂ければ幸いです。
本大会のレポートをするにあたって、デッキ分布の比較をする為にもまずは前回の第30回大会の結果を振り返ってみましょう。時期としては基本パックである「DOOM OF DIMENTIONS」発売から半月弱ほど経過した環境となっています。
前回トップシェアとなったのは【ドラゴンテイル】でした。
【ドラゴンテイル】は自分、相手ターン問わず融合召喚をが可能なギミックを持ち、「星辰爪竜アルザリオン」の効果による妨害やリソース回収が強力です。
また様々なカテゴリーやカードと組み合わせたデッキ構築が可能な柔軟性も持ち合わせており、腕に自信のある上級者の方が好んで使う印象のデッキです。
続いて分布数が多かったのは現環境トップの【ヤミー】デッキです。
『ヤミー』はレベル1モンスターと、レベルを持たないリンクモンスター「ヤミー★スナッチー」を用いてシンクロ召喚を行う異色のシンクロデッキです。
「ヤミー★スナッチー」は相手ターンでもシンクロ召喚が可能で、そこから繰り出されるシンクロモンスターは元のシンクロ素材に戻る事ができ、これによる連続シンクロ召喚が【ヤミー】最大の特徴です。
加えて「カプシー☆ヤミー」などによるリソース確保、専用魔法カード「ヤミー☆サプライズ」によるモンスターの展開や手札に戻す効果を用いた妨害、そしてフィールド魔法「ヤミーズメント☆ミニヨン」の攻撃力上昇効果でワンショットキルも可能…と、攻守において隙のないデッキです。
そして勢力第3位に食い込んだのは【オノマトライゼオル】でした。
かつて環境の覇者として君臨していた【ライゼオル】ですが、2025年4月のリミットレギュレーション改定以降は安定性を失い、環境から失墜…かに思われました。
しかし同月発売の新弾で強化された、レベル4モンスターの展開が得意な『オノマト』ギミックと組み合わせた【オノマトライゼオル】が新たに誕生。
「増殖するG」などドロー効果を持った手札誘発への耐性こそ失いましたが、代わりに全盛期以上の展開力を獲得するに至りました。
そして勝ち残った上位8名による決勝トーナメントは以下の分布になりました。
環境トップとして認知され対策をされていた為か、【ヤミー】の進出は1名に留まり、代わりに上述した【ドラゴンテイル】と【オノマトライゼオル】が鎬を削ります。
そんな両デッキの一騎打ちを制したのは【オノマトライゼオル】。
全環境の覇者としての意地を見せつける形となりました。
そして迎えた第31回大会。前回からほぼ1か月が経過し、デッキビルドパック「ファントムリベンジャーズ」発売後の環境となります。
そんな第31回大会の予選分布はこちらです。
前回から一転、環境覇者の【ヤミー】がトップシェアに躍り出ます。
そこに前述の【ドラゴンテイル】【オノマトライゼオル】に加えて、【VSK9】【M∀LICE】
が同列で続きます。
『VS(ヴァンキッシュソウル)』は手札の指定された属性のモンスターを相手に見せる事で効果を発動したり、手札と場のモンスターを入れ替える効果を持っていたりと、変幻自在な戦いを得意とするカテゴリーです。
元々対応力の高いデッキでしたが、4月の新弾で「VSホーリースー」など強力な新規カードを獲得し、更に相手の手札・墓地のモンスター効果を牽制する新テーマ『K9』との相性の良さも判明。
この2つを組み合わせた【VSK9】は瞬く間に【ヤミー】に勝るとも劣らない環境トップクラスのデッキとして名を馳せました。
予選はこれらのデッキ対【ヤミー】の構図となりました。
とは言っても、その【ヤミー】ですら4名、その他の主要デッキ4種も2名ずつ、他は全て1名ずつの参加と、デッキ分布はかなりばらける形となりました。
10月のリミットレギュレーション改訂前の為か、規制を見据えて【ヤミー】以外のデッキを選択したが故の結果でしょうか。
また直近で新商品が矢継ぎ早で発売された事もあってか、それらで強化あるいは追加された新デッキの参戦も見られ、予選はいよいよ群雄割拠な様相を呈してきました。
そして決勝トーナメントへと駒を進めたデッキ分布がこちらです。
なんと本日【ヤミー】で参戦した4名中3名が決勝へと駒を進め、他を寄せ付けない圧倒的な実力をここでも遺憾無く発揮しました。
更に内2名が準決勝へと進みます。
止まらない【ヤミー】の快進撃…。
そして決勝トーナメントを制し、優勝したのは…。
展開力の申し子、【M∀LICE(マリス)】デッキでした。
サイバース族主体の『M∀LICE』は、墓地利用戦術が主体の従来のサイバース族に対して、除外を利用した戦法を得意とするカテゴリーです。
同じく展開力の高いサイバース族カテゴリーの『@イグニスター』を取り込み、相手の妨害を意に介さず展開を行うデッキパワーが魅力です。
『ライゼオル』と同時期に登場して環境入りした【M∀LICE】は、展開と起点となる「M∀LICE<P>Dormouse」や強力な制圧効果を持った「召命の神弓アポロウーサ」を制限改訂で失いますが、未だトーナメントシーンの上位で活躍するポテンシャルを秘めたデッキです。
【M∀LICE】全盛期は、その圧倒的な展開力を阻止する為に対策カードとなる「アーティファクトロンギヌス」の採用がほぼ必須となるほどでした。
環境トップが【ヤミー】に移るにつれて、「アーティファクトロンギヌス」の採用率が下がっている事も今回の結果に関係しているかもしれません。
事実、本大会でも「アーティファクトロンギヌス」を採用している参加者は4名に留まっています。
逆に決勝戦では【M∀LICE】側の【ヤミー】対策カードがうまく機能していたといえるでしょう。
「皆既日蝕の書」や「冥王結界波」といった相手の盤面全体を一気に機能不全に追い込むカードが【ヤミー】の展開を総崩れにして、あとは【M∀LICE】の展開で圧殺…。
なんと2-0のストレート勝利で決勝の幕を閉じる事になりました。
【ヤミー】vs【それ以外のデッキ】といた構図で始まった第31回真・福福CS。
しかし10月にリミットレギュレーションの改訂を控え、いよいよその構図も変わってくるかもしれません。
加えて9月末には海外のトーナメントシーンで猛威を振るう【巳剣(みつるぎ)】の上陸が控えています。
次の環境を制するのはどのデッキなのか…。
そんな次環境で開催される第32回真・福福CSは10/4(土)に開催予定です。
第32回大会も熱い大会模様をレポートしていきたいと思います!
ぜひお楽しみに!